2008年12月28日

BRASIL - SICK


宮沢和史著 双葉社刊

宮沢さんのブラジルへの愛と、未だ衰えぬブラジルへの好奇心に溢れた素敵な著作だ。2008年、日本ブラジル移民100周年に、Ganga Zumbaのブラジルでのライブを実現させるための旅を綴った旅行記でもあり、ブラジルの文化を伝える情報も満載である。国安真奈さんとの対談、元ラティーナ編集部の肥田さんや、中原仁さんのエッセイも。これは是非に読んで頂きたい一冊です。

2008年12月21日

+81 Voyage / Brazil and Argentina Issue


ディー・ディー・ウェーブ社発行 河出書房新社発売

Rio de Janeiro, Belo Horizonte, São Paulo, そしてBuenos Airesを、建築、音楽、アートなど多面的にガイドした素敵な一冊。「ネオ・トロピカリア ブラジルの創造力」展についての記事や、ディスク紹介まであります。そういえばこの雑誌以前にもBrazil Issueを発刊したことがあったな。

2008年12月20日

O Jeitinho no Japão para Os Brasileiros


松田真希子著 Thiago Sales Pinto訳 春風社刊

「ブラジル人のためのニッポンの裏技 - 暮らしに役立つ日本語便利帳」、すなわちブラジル人のために書かれた本なのですが、我々日本人が読んでもとても興味深いのであります。むしろポル語のほとんど話せない私などにとっても、ポル語の学習に役立つ本なのです。実際学習しているかどうかは別にして。

2008年10月16日

Brasilian Music 2001


中原仁編著 音楽之友社刊

中原仁さん編集・企画の"Brasilian Music"の続編。前作ではブラジルの音楽の様々なジャンルを解説する方法論であったが、本作はBossa Novaを一つの章とし、あとはブラジル音楽全般を年代で60-80年代、90-2001年までに区切って解説しています。著者は秋岡欧さん、笹子さん、国安さん、友田さんなど。Disc guideや名曲案内もついてます。ブラジル音楽ファンマストの1冊。

2008年10月5日

Campana

Campana Brothers at the brasilian embassy in Tokyo プ チグラパプリッシング刊

ブラジルを代表する造形作家カンパナ兄弟の、2005年にブラジル大使館で行われた「カンパナ・ブラザーズ展」の作品集。本としても美しいが、収められた作品のpopな美しさ、発送の大胆さに驚かされる。

2008年9月23日

ブラジルのかわいいデザインたち

植嶋秀文、井岡美保著 ピエ・ブックス刊

ブラジルの食品のパッケージ、日用品、アルバムジャケット、お土産品などの可愛らしいデザインを一冊にまとめたもの。副題「光と風の国から届いた心地よい雑貨たち」。ブラジルらしい、実にポップなデザインが並んでいます。ちょっとしたブラジルの解説、料理の作り方などもあり、本自体がすでにかわいい。

2008年9月21日

ブラジリアン・サウンド

クリス・マッガワン、ヒカルド・ペサーニャ著 武者小路実昭、雨海弘美訳 シンコー・ミュージック刊

メルティング・ポットと評されるほどmixtureを繰り返し、独自の多種多様な音楽的土壌を育んで来たBrasilの音楽。本書はそんなBrasilの音楽を、歴史的背景を含めて解説したもの。主要なBrasil音楽がほぼ網羅され、解説されている。Brasil音楽初心者にとっては、実にありがたい1冊ではなかろうか。

2008年9月18日

ユリイカ 2003年2月号 特集カエターノ・ヴェローゾ

青土社刊

詩と批評の雑誌「ユリイカ」の2003年の2月号でカエターノ・ヴェローゾの特集をしていました。これもう5年も前ですが、バック・ナンバーはありそうです。中原仁さんのカエターノのインタビュー、ジャキスのインタビュー、東琢磨さんのアート・リンゼイのインタビューなどなど圧巻の内容。ディスクガイドまで付いています。

2008年9月15日

ボサノヴァの歴史外伝「パジャマを着た神様」

ルイ・カストロ著 国安真奈訳 音楽之友社刊

名著「ボサノヴァの歴史」の続編。新しく発掘された幾多のエピソードや、1990年以降のボサノヴァを取り巻く状況を、19の物語にまとめ上げた、実に読みやすい著作に仕上げられている。トム・ジョビンや、ジョアン・ジルベルトに関する記述はもちろんのこと、ブリジット・バルドーを巡るエピソードや、ジョアン・ドナートのぶっ飛んだ少年時代など、興味は尽きない。

2008年9月12日

アントニオ・カルロス・ジョビン ボサノヴァを創った男

エレーナ・ジョビン著 国安真奈訳 青土社刊

ジョビンがいなければ、ボサノヴァを代表する名曲の大半は存在していないわけだから、ひょっとすると、と言うよりほぼ確実にボサノヴァは誕生していなかった。表現者としてではなく、作曲者として間違いなく、トムはボサノヴァの創造主である。そのジョビンの苦悩と成功に満ちた生涯を、実の妹にして作家のエレーナ・ジョビンが、貴重な写真と共に綴ったジョビン伝。巻末に詳細なディスコグラフィー、曲目リストが付いています。

2008年9月4日

BRISA BRASILEIRA - Brasilian Music Around the World

ブリザ・ブラジレイラ監 ブルース・インターアクションズ発行

これも麻生雅人さんが主体となってまとめ上げたディスク・ガイドですが、他のブラジル音楽ガイドとは大きく趣を異にしています。もちろんブラジル人による純ブラジル音楽も紹介されて居りますが、ブラジル音楽に影響を受けている他国のディスクも多数(こっちがこの本ではむしろ主役)紹介されているのです。そこがこの本のツボ。見たこと無いディスクがいっぱい。なんつってもおすぎとピーコや、桜田淳子まで紹介されてますから。

2008年9月1日

マジア・ド・サンバ

佐久間圭輔著 アララ文庫発行

長くブラジルで仕事をしながらサンバに無縁であった筆者が、いかにしてサンバ、カーニバルに触れることとなり、そして深くサンバと関わるようになったのか。「マジア・ド・サンバ」、「ジンガ」というキーワードを介して、サンバ、そしてブラジルの魅力をカーニバルの歴史や仕組み、舞台裏などを通して綴った一冊。佐久間氏はサウージ・ヨコハマンゲイラのヴェーリャグアルダであり、マンゲイラ大使として日本のサンバファンとマンゲイラとの交流にも力を注いで居られるとのこと。これ読むと、どうせやるならここまでやらなきゃっ、て思いますね。

2008年8月31日

週刊新潮 9月4日号

新潮社発行

巻頭グラビアで、ブラジルの白い砂漠、レンソイス・マラニョンスが採り上げられています。

marie claire 2008年10月号

アシェット婦人画報社発行

日本人のブラジル移民100周年記念「新世代の日系女性たち」という6ページの特集記事があります。フェルナンダ・タカイちゃんのインタビューが目玉。

2008年8月28日

現代ブラジル事典

小池洋一ほか監修 ブラジル日本商工会議所編

こんなの如何でしょうか。ブラジル音楽関連ではありませんが、今世紀最も発展が期待される未完の大国ブラジルの、文化、産業、歴史、経済、社会など、すべてを網羅したブラジルのすべてを知るための事典。全500ページ、腕力の無い人は持てないくらい分厚い1冊。

2008年8月26日

ボサノヴァ・レコード事典

宮坂不二生監修 ボンバ・レコード刊

宮坂さんがこの本を上梓された頃、丁度日本銀行山形支店に在任されていた。そのご縁で当会のライブ、イベントなどにも多くの協力を頂きました。著者はその宮坂さんを中心に、中原仁さん、ケペル木村さんなど山形でもお馴染みの方々、そして板橋純さん、国安真奈さんなど。またEumir Deodatoが寄稿しています。どこまでがBossa Novaかは、捉え方で異なるけれど本作は広くBossa Novaを知ることが出来る素晴らしいガイドブックです。本誌中頃のカラーによるジャケット写真もすべて宮坂さんの手によるものです。

2008年8月22日

MÚSICA MODERNA ブラジル・ポピュラー・ミュージック・ディスクガイド

Willie Hooper監 アスペクト刊

日本人が聴いているブラジル音楽は、私も含めて多くは所謂MPBであり、サンバであり、ボサノヴァであり、少し聴き込み始めると北東部やバイーアの音楽、そしてショーロというところ。しかし実際のブラジル国内で広く聴かれている音楽はそんなものではない。本書は多国籍文化の坩堝ブラジルで、現在広く大衆的支持を受けている音楽を広く採り上げ、ブラジル的視点から現代のブラジル音楽を俯瞰したディスクガイド。それらすべてが我々の耳みにとって心地よいかは別なのだが、興味深いことこの上ない。

2008年8月13日

FIGARO japon 8/20号

阪急コミュニケーションズ刊

雑誌としての特集はクロアチアなのですが、「祝・生誕50周年、夏はボサノヴァがいい。」という8ページの特集記事があります。中原仁さん、堀内隆志さん、林伸次さんが寄稿。ミュージシャンの選んだ「私的BEST 3」など。

2008年8月6日

Bumba

ブンバ!編集部刊

ブラジルの魅力を現地から直接届けてくれる貴重な雑誌であります。ブラジルの自然、文化を広い視野から捉えた記事は、ブラジルの独自性を余すところ無く伝えてくれます。生活に根ざした情報や、イベントの情報など、足を使って収集した情報が満載。もちろん音楽情報もあり。たみ子さん(編集長)、お元気ですか?

2008年7月31日

Domingo - music for sunday lovers

堀内隆志、ケペル木村、小山雅徳他著 プチグラパブリッシング刊

日曜日(domingo)に聴く音楽をテーマに、堀内隆志さん、ケペル木村さん、小山雅徳さんらが、様々なディスクを紹介。ガルとカエターノ、ミルトン・ナシメント、ナラ・レオン、マルコス・ヴァーリ、ドミンギーニョス、ジョアン・ジルベルト、エリス・レジーナなど、実に日曜日が似合ブラジル人アーティストをfeatureしながらも、広くブラジル以外の音楽も採り上げられています。

2008年7月27日

台風エリス

レジーナ・エシェヴェヒア著 国安真奈訳

Bossa Nova以降現代に至るまで、エリスの歌唱法こそが、彼女以降の歌手達に絶対的な影響を持ち続けている。それほどエリスの歌は圧倒的で、唯一無二の存在である。そして彼女の人生は、その歌以上にスパイスが効いていた。いや、効き過ぎだったようだ。此の著作はElis Reginaのその苛烈な生涯を丁寧に記した名著。巻末にDiscographyもついてます。

2008年7月21日

Latina

世界の音楽情報誌 ラティーナ

昭和40年から世界の音楽情報を発信し続ける老舗にして、ブラジル音楽の濃密な情報を提供してくれる、今や唯一と言ってよい雑誌。ブラジル音楽に特化しているわけではありませんが、毎年行われるブラジルディスク大賞など、ブラジル音楽はこの雑誌の中心となる分野であり、情報の乏しい我々田舎もんにとっては実に強い味方なのであります。山形で本誌を購読している人がどれほどいるかは疑問ですが、山ブラ会員は是非定期購読をしましょうね。詳細はこちら。

2008年7月18日

ヴィヴァ!ボサノーヴァ

監修:中村とうよう 協力:田中勝則 ミュージック・マガジン増刊

1998年のミュージック・マガジンの増刊号。中村とうようさん、田中勝則さんを中心に、中原仁さん、竹村淳さんなどの大御所や、小野リサさんなどが寄稿。ボサノヴァそのもののみならず、ボサノヴァ以前、以降まで広く解説されています。100枚のディスクも紹介されております。10年前の本ですが、ボサノヴァという、歴史的にみれば「終わっている」音楽についての記述ですから、古くなるということはありません。

2008年7月14日

ムジカ・ロコムンド

Musica LocoMundo (ムジカ・ロコムンド)編 アスペクト刊

この本が発刊されたのが2000年。既に8年前が初版なのだが、この本のおかげで幾多の埋もれた名盤がCD化されました。それだけ影響力を持つ一冊なのです。歴史的に重要、などと言うことよりも、ほんとに素敵で、長く愛聴盤となるようなdiskを、こんなにたくさん(800枚!)紹介してくれた功績は、いくら称えても称えきれないぐらい。私もこれに掲載されているdiskを血眼になって探したものです(今も手に入らないのがいっぱいありますが)。現在はオールカラー版で出版されていますので、是非入手しましょうね。

2008年7月12日

Bossa Nova Guidebook 58-08

企画制作:伊藤葉子 commons / 333DISCS発行

Naomi & GoroのNew Album "Bossa Nova Songbook 1"の購入者に無料で配布されたのがこの"Bossa Nova Guidebook 58-08"。伊藤ゴローさん、中原仁さん、宮田茂樹さんのBossa Nova鼎談から始まり、その後は様々な著者が、3枚のBossa Novaアルバムを選ぶという、素晴らしい企画。上記3人を含め、小野リサさん、ケペル木村さん、堀内隆志さん、Bar Bossaの林さん、中村善郎さん、坂本龍一さん、根岸吉太郎監督、そしてJoyce、Carlos Lyraなど素晴らしい執筆者。各々のBossa Nova観が反映された非常に興味深いGuidebookです。ちなみに見事に浮いておりますが、私も参加させて頂きました。

2008年7月10日

ボサノヴァの歴史

ルイ・カストロ著 国安真奈訳 音楽之友社刊

Bossa Nova誕生前夜からの、その歴史を実に膨大な量のデータや取材に基づいて丁寧に記した名著。これさえ読んどけば音楽を聴いてなくてもBossa Nova通になれます。登場人物もたくさんたくさんおりまして、途中でfollow出来なくなる部分もあります(そりゃ、お前の頭の所為だ?)。貴重な写真も数多く掲載されており、物語としても面白い。まさにBossa Novaファン必携の書と言えましょう。

2008年7月8日

ザ・ディグ・プレゼンツ・ディスクガイド・シリーズ#22「サンバ」


監修:麻生雅人 シンコーミュージック刊

世界初のサンバのディスクガイド。古典からニュー・クラシックに至る約600枚を紹介。1冊すべてサンバづくし!執筆者は監修の麻生さんを始め、中原仁さん、ケペル木村さん、バランサの阿部浩二さん、ニンニク大王、大道寺さん、翁長さん、東野さんなど。サンバファンのみならず、すべてのブラジル音楽ファン必携の書。不肖山ブラ会長も執筆者の一人として20数枚を紹介しております。

2008年7月7日

トロピカリア


カルロス・カラード著 前田和子訳 プチグラパブリッシング刊

Post-Bossaのmovementとして、ブラジル音楽に一大変革をもたらした「トロピカリア」運動を、物語的かつ詳細に描いた1冊。若き日のCaetano Veloso, Gilberto Gil, Gal Costa, Maria Bethaniaを中心に描かれた青春群像。今やブラジル音楽の屋台骨となった彼ら若き日を知るだけでも大満足。Bossa Nova以降のBrasilian Musicを知る上で欠かせない著作です。

2008年7月6日

ブラジリアン・ミュージック

編/著:中原仁 音楽之友社発行

ブラジル音楽に興味を持ったら、是非入手してください。ボサノヴァとは?サンバとは何?と言う基本的な疑問から、アーティストの人物像、ディスク紹介、そして歴史まで。まさにブラジル音楽ファン、マストの1冊と言えましょう。編集/執筆は、中原仁さん。その他ショーロクラブの笹子重治さん、秋岡欧さん、バランサの阿部浩二さん、渡辺亮さん、ジョゼ・ピニェイロさんなどが執筆。各々の個性の出た文章も興味深い。